スーパーコンピュータとのデータ通信
スーパーコンピュータやLinuxサーバーのようなコマンドライン環境からNextcloudのへのアクセスには、WebDAVクライアント Rclone を利用します。以下「$」から始まる行はスパコン等の計算機サーバー（以下「計算機サーバー」と表記）でのコマンド実行を表します。
1. Rcloneのインストール
まず rclone コマンドで実行されるプログラムをインストールします。
管理者権限がある場合（例：Ubuntu）:
$ sudo apt install rclone
管理者権限がない共用マシンの場合:
$ wget https://downloads.rclone.org/rclone-current-linux-amd64.zip
$ unzip rclone-current-linux-amd64.zip
展開された rclone-バージョン-linux-amd64/ のディレクトリ内にあるバイナリファイル rclone をパスの通ったところに移動して使います。
2. Nextcloud デバイスパスワードの発行
WebブラウザでARIM-mdxにアクセスして、デバイスパスワードを発行します。これは各デバイスごと（計算機サーバーごと）に発行する必要があります（使いまわし不可）。
注釈
画面を閉じたり移動したりすると再表示できなくなるので、設定が終わるまでこの画面を開いておくか、生成されたパスワードをメモしておいてください。設定完了後はパスワードを破棄してください。
2. Nextcloud WebDAV URLの発行
WebDAV URLを取得:
https://arim.mdx.jp/nextcloud/remote.php/dav/files/{ユーザー名}
3. Rcloneの設定
生成した、 ユーザーID 、 パスワード 、 WebDAV URL を使って計算機サーバーで設定します:
$ rclone config
以下の質問に答える形で設定を進めます：
No remotes found, make a new one?→ 「n」と入力 (newの頭文字) ↵Enter name for new remote.→ 接続先の呼び名(任意)。例：「arim」と入力 ↵Option Storage.→ 接続方式を選択。「webdav」と入力 ↵Option url.→ 上で取得した WebDAV URL を入力↵Option vendor.→ 「nextcloud」と入力↵Option user.→ 上で生成した ユーザーID を入力↵Option pass.→ パスワードを入力するか確認。「y」と入力↵Enter the password:→ 上で発行した パスワード を入力↵（入力のパスワードは非表示）Confirm the password:→ 確認用に同じパスワードを再度入力↵Option bearer_token.→ 何も入力せず↵Edit advanced config?→ 何も入力せず↵Configuration complete.→ 何も入力せず↵Current remotes:→ 終了する場合は「q」を入力↵
これで ~/.config/rclone/rclone.conf に設定ファイルが作成されます。
4. Rcloneの基本的な使用方法
ディレクトリの表示:
$ rclone lsd arim:
より深いディレクトリの表示:
$ rclone lsd arim:large/xxx/yyy/zzz
ファイルのコピー（ローカルからARIM-mdx Nextcloudへ）:
$ rclone copy yyy/ arim:large/xxx/yyy/
ファイルのコピー（ARIM-mdx Nextcloudからローカルへ）:
$ rclone copy arim:large/xxx/yyy yyy/
リモートマウント (マウント後 df などで確認):
$ mkdir arim
$ rclone mount --daemon arim:large/xxx/ arim/
注釈
物性研スパコンkuguiなど、ログインノードでのリソース制限がある場合は、以下のように環境変数によるGO言語ブログラム (Rclone) の並列度制限が必要です:
$ export GOMAXPROCS=1
5. 詳しい利用方法
rcloneやサブコマンドのオプションは以下のコマンドで参照できます:
$ rclone --help
$ rclone サブコマンド --help
各サブコマンドの詳細なヘルプを見るには、サブコマンドの部分を実際のコマンド（例：copy, lsd, mount など）に置き換えてください。
利用方法マニュアル: